歴史
峠を越えた人たちの道
江戸時代の旅人は、関所で調べを受けながらこの峠を越えた。私は温泉つきで越えている。少しだけ、申し訳ない。
- 箱根神社は、奈良時代の天平宝字元年(757)に、万巻上人が社殿を建てたのが始まりです。
- 鎌倉時代には源頼朝が深く信仰し、江戸時代には徳川家康が社殿を造営しました。
- 箱根関所は元和5年(1619)に設けられました。平成19年(2007)に、江戸時代の大工・石工の技術と資材を踏襲して完全に復元されています。
神奈川県 箱根町
国道1号で何度も上った山なのに、季節が変わるたびに、知らない顔で迎えてくれる。
宮城野の土手を、走り友達と歩く。早川は段々になった堰を一段ずつ白く流れ落ちて、その上に桜が屋根みたいに枝を伸ばしている。
「どっちが多く取れるか、勝負ね」と友達が言い出した。私の手のひらには、花びらが一枚。友達の手には、山盛り。進捗、桜九割、勝負一割。
雨の朝の登山電車は、窓の外があじさいで埋まる。ガラスのすぐ向こうで、青と紫と白が揺れている。
雨粒をひとつ指でなぞりながら、色の数を数えはじめた。三十秒であきらめた。進捗、ゼロ。満足度は、満タン。
朝日が差すと、仙石原のすすきは一面の金色になる。友達は先に坂を上って、くるっと振り返って手を振った。
私は両手を広げて、穂の先にさわりながら追いかける。遊歩道はまっすぐ一本なのに、きれいすぎて二回立ち止まった。
冬の朝の芦ノ湖は、空気が澄みきっている。湖に立つ赤い鳥居の向こうに、雪をかぶった富士山がくっきり見えた。
温かい紙カップを両手で包んだまま、口を開けて見とれていた。気づいたら友達は、もう湖の方を向いて撮り終えている。撮るのを忘れたのは、私だけだった。
歴史
江戸時代の旅人は、関所で調べを受けながらこの峠を越えた。私は温泉つきで越えている。少しだけ、申し訳ない。
パワースポット
箱根神社の御神徳には、交通安全と縁結びが並んでいる。ドライブが好きな私には、これ以上ない組み合わせだ。お願いごとを一つにするか二つにするかで、真剣に五分悩んだ。
名物
大涌谷の黒たまごは、殻が真っ黒。一個食べると寿命が七年のびると言われている。二個目に手をのばしたら、友達に「欲張りね」と笑われた。